国家公務員給与削減に物申す! / 倉稟(そうりん)満ちて礼節を知る!
2012年度から13年度の国家公務員の給与を平均7.8%引き下げる特例法の成立が報道された。
この引き下げにより約6000億円の財源が確保でき、これは震災復興に充当されるとのことである。
公務員の給与はもともと人事院が民間企業の給与水準を参考にして改定勧告を毎年実施している。2011年度の勧告は0.23%の引き下げとなっていた。民間企業の賃金が上がらなければ公務員の給与も上がらない制度になっている。
民主党政権下で震災復興が1年経過しても遅々として進まず、政争に明け暮れる政治の体たらくを棚に上げ、財源がないからと言って国家公務員の給与を7.8%も引き下げる。
本当にこのやり方はいいのだろうか? 私は極めて疑問である。仮に国家公務員の給与や待遇が民間に比して恵まれ過ぎているのであれば今回のように2年限定の時限立法ではなく全体の制度改革の中でなされるべきである。
私は約35年間海上自衛官として特別国家公務員で勤務した。
勤務期間中に給与が多いとか少ないとか思ったことは一度もなかった。
当然のことながら収入がないと生活はできないが、少なくともお金を稼ぐために働いているという気持ちはなかった。
一朝有事に備えて精強な部隊を創ること、事があれば身命を賭して任務を全うすることが全てであった。
他の自衛官も同様であり、現役時代に業務上関係した多くの国家公務員も同様の精神であった。ここが民間企業と国家公務員の根本的な相違であり、これはそれぞれの職業を選択した宿命でもある。
私は昭和52年に結婚したが、民間で働いていた妻は私の給料の低さに口には出さないも、明らかに驚いているのが分かった。私は当時護衛艦勤務であり、乗り組み手当がついていてもそうであった。日本の高度成長期、バブル期に結婚した仲間、同僚は更にその差は顕著であった。
管子(かんし) に出でくる斉の宰相・管仲(かんちゅう)の言葉で「倉稟(そうりん)満ちて礼節を知る」という教えがある。正確には「倉稟(そうりん)満ちて礼節を知り、衣食足りて栄辱(えいじょく)を知る。」である。
倉稟とは穀物などの食料を保存しておく倉庫のことであるが、〝今日明日の食いぶち困っている人に、礼節や・人の道を説いたところで何の意味もない。着るものや食べるものが満たされて、人は栄誉や恥辱を感じる。〞ということである。
この教えこそまさに公務員や政治家に適用できるものであり、贅沢な暮らしはできないが衣食住に困らない程度の報酬があって、仮に自分が殉死しても家族の保護に配慮がなされる国の制度があってこそ、公務員は国家、国民のために全身全霊を投入して働けるのである。
今回のように味噌も糞もなく手当たり次第財源を引き出すのではなく、日本国の繁栄を目標とした全体の制度改革を行い日本をリードすべきであり、それが政治家の使命である。
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