金正日死去に対する危機管理の甘さ / 官邸に物申す!
近いうちに来ると思っていたニュースが19日に飛び込んできた。


しかも、2日前の17日に金総書記は死亡していた。
2日も完全に情報を秘匿できる北朝鮮に恐れを感じる。
18日には日韓首脳が例の「慰安婦」問題で激論を交わしていたことを考えると日韓政府は共に総書記死亡の情報を持っていなかったことになる。
19日の北朝鮮の発表後の政府の対応を見ていると危機管理意識の相変わらずの低さを感じる。全てが形だけの姿勢で実体を伴わない処置、対応ばかりである。
まず、野田首相の行動である。
北朝鮮は19日の午前に正午から重大放送を行うと発表していた。
この事態は政府のクライシスマネージメントにおいて全閣僚は1時間以内に官邸に参集できるような警戒(ALERT)態勢の状況である。
野田首相は正午の重大発表を待たず11時59分に首相就任後の初めての街頭演説のため新橋駅前に向かった。
12時3分に秘書官からの総書記死亡の報告と官房長官から同5分に「戻って下さい」という連絡を受け同9分に官邸に戻ったと報道されている。
この10分間を危機管理態勢が盤石であったというかもしれないが、そもそも新橋駅前での街頭演説と北朝鮮の異様な重大発表の予告時期が競合しても街頭演説に出発すること自体問題である。
日本国の指揮官という自覚があるならば北朝鮮の重大発表に対応するのが当然である。
街頭演説は別に10分遅れようが取りやめようが問題はない。
この意識の持ち方がクライシス発生時の迅速な対応に繋がる。この確固とした意識こそがクライシスマネージメントの要点である。
ちなみに、新橋駅に街頭演説を聞きに行った友人の話では事前に準備していた蓮舫行政刷新担当大臣も早足に引き揚げたそうであるが、
今回は真っ当な日本人グループ約300人が国旗やプラカードをもって集結しており、蓮舫氏に対しては「帰れ」「どっちを向いて政治してるんだ!」等の罵声が浴びせられ、また現場の報道チームに対しては「偏向報道をするな!」等の強い抗議で退去させた模様である。
極めて健全な傾向である。当然のことながらこの種報道は一切なされていない。

北朝鮮の金正日総書記死去のため、予定した街頭演説を
野田佳彦首相が取りやめ、自らも足早に引き揚げる
蓮舫行政刷新担当相(車上右から2人目)
=東京都港区で2011年12月19日午後0時11分
次に安全保障会議である。
報道によると安全保障会議は午後1時から始まり、首相が関係閣僚に「十分情報を集め、警戒態勢を整えて欲しい」と指示して約10分で終了したそうである。
10分で何の安保会議ができるのか全く理解できない。
首相は金総書記の死亡に伴い、官邸に帰着後12時10分に
①情報収集態勢の強化
②米韓中との情報共有
③不測事態に備えた万全の態勢
の3点を指示したそうであるが、
要は不測事態の具体的な予測と対応の準備である。
情報収集態勢、米韓等との情報共有は関係省庁及び自衛隊等の機関が行っている。
防衛相関係筋の情報として北朝鮮はノドン等のミサイル2発の発射実験を行ったという報道もあり、これが事実だとすれば海上自衛隊のイージス艦等は約1か月前から日本海に展開しており、海上自衛隊は米海軍と連携して各種の情報収集活動をしていた筈である。
安保会議において具体的な不測事態、例えば北朝鮮の内乱、大量難民の日本海流出、日本国内の原発、鉄道、水源地等に対するテロの発生等々、考えればきりがない。
これらの事態とその対処においては有事立法に期待しなければならない制約が多々ある。
これらの種々の問題を自衛隊の各幕僚長や警察庁、保安庁等の幹部から日頃聞く機会もない官邸であればなお更この機会に首相主導で聞き、必要な立法措置と各省庁の具体的な連携要領を指示しておくべきではなかったのか。
20日付の韓国各紙は、北朝鮮の金正日総書記の死去をめぐり、健康状態が良くないにもかかわらず列車で現地指導を続けたことや、死去から発表まで51時間半かかったことなど多くの謎があると報じた。
東亜日報は「(北朝鮮の)発表で最も疑問が残る点は列車内で死去したことだ」と指摘。金総書記の健康維持は北朝鮮にとって「最優先課題」であり、体調の変化に北朝鮮当局が全く気付かないまま総書記が現地指導を続けたことは理解し難い、と指摘した。
毎日経済は「誰かに殺害されたのではないか、という可能性が提起されている」とした。東亜日報も「強硬派の仕業ではないか」とする北朝鮮脱出住民(脱北者)出身の専門家の見方を伝えた。
という報道にもあるように、今後何が起こってもおかしくない状況であるにも拘わらず、民主党政権は東日本大震災と同様に希望的予測に基づいた対応しかしていないように感ずる。
東日本大震災においても非常事態を宣言できなかった民主党政権は2度と危機管理の過ちを犯してはならない。
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