自衛隊とカナダ軍の物品相互協定で合意 日加首脳会談 / アクサ ACSA Acquisition and Cross-Servicing Agreement)
自衛隊とカナダ軍の物品相互協定で合意 日加首脳会談 / アクサ ACSA Acquisition and Cross-Servicing Agreement)
本日(9月25日)の日経新聞朝刊は、「24日午前、カナダを訪問中の安倍首相とカナダのハーパー首相との会談で、自衛隊とカナダ軍の食料や燃料の相互提供を定めた「物品役務相互提供協定(ACSA)」で大筋合意した。ACSA締結は米国、オーストラリアに続く3例目。軍事力を拡大する中国へのけん制を念頭に、両国の安全保障協力の強化を呼び掛けた。」と報じた。
私は昭和63年から平成2年までの防衛庁統幕勤務で日米共同作戦計画やACSAの調整を行っている指揮調整班に所属していたから、当時の苦労を省みると隔世の感がある。
安倍首相は就任以来、ロシアや中東諸国を精力的に訪問し経済互助、発展はもとより、特に安全保障面に力を入れた連携、協力や枠組みの構築に尽力されている。
やっと、日本国の舵取りを任せられる、信頼できる首相の誕生で喜ばしい限りだ。
物品役務協定は米国軍が同盟国の軍隊との間で物資や役務の相互利用を行う枠組みを定める二国間協定であり、アクサ/ACSA Acquisition and Cross-Servicing Agreement)と呼ばれる。
日米間では平成8年(1996)、日米共同訓練・国連平和維持活動(PKO)・人道的国際救援活動を対象とする日米物品役務相互提供協定を締結、
平成11年(1999)には、周辺事態に対応する活動も対象に加えられ、
また平成16年7月には武力攻撃事態又は武力攻撃予測事態等に際しても実施可能となった。
正式名称は「日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定」、
日米間では、武力攻撃事態・武力攻撃予測事態の場合のみ弾薬を提供できるが、武器は対象外となっている。
更に、平成22年(2010)には、自衛隊と豪州国防軍との間でのアクサが締結され、共同訓練・PKO・人道的国際救援活動・大規模災害への対処・緊急事態における自国民の輸送等を対象とし、物品又は役務の相互の提供が可能となっている。
そして今回のカナダとの締結、これで日・米・豪・加の軍隊の物品役務相互協定が可能になり、環太平洋の実質的な軍事同盟となる。
私は海自現役時代、環太平洋共同訓練(RIMPAC: Rim Of the Pacific)に個艦の乗り組み幹部から派遣司令部の幕僚まで様々な配置で何度となく参加したが、米・加・豪は、装備及び人員の交流面でも完璧な同盟軍であり、海自とはBilateralな関係で強固な信頼関係が維持されていた。
今回のカナダとのACSAの締結合意は、環太平洋の安全保障に大きな力を発揮し、太平洋の平和と安定に大きく貢献すると確信している。
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