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フィリピン、日本の再軍備支持? / 12月11日の日経朝刊記事の論評に疑問



英ファイナンシャルタイムズ特約記事として日経新聞が本日12月11日の朝刊で「フィリピン、日本の再軍備支持? 中国との対立 均衡探る」という見出しで記事を掲載した。

その内容に腹立たしい記述があったので日経の反省を促したい。

記事の内容を要約すると、フィリピンの外相が英国のファイナンシャル・タイムズの記者の「日本の再軍備を支持するか」という質問に「大歓迎」と答えた記事に関する日経の報道である。

ファイナンシャル・タイムズとのインタビューでデルロサリオ比外相は「我々は日本の再軍備を大いに歓迎するだろう。地域でのバランス要因を求めており、日本は重要な役割を果たすことができる」といっただけの内容であるが、

日経はこの内容に、フィリピンは軍事的な自己主張を強める中国と対抗させるために、平和憲法で武力を放棄している日本の再軍備を強く支持するかも知れない。とか

日本の自衛隊を一人前の軍隊に格上げする憲法改正は日本に作戦行動上の多大な自由を許し、アジアの軍事バランスを変える可能性がある。とか

公式の平和主義にもかかわらず、大型水上艦の保有は中国海軍の70隻あまりに対し、海上自衛隊は約50隻を擁する。アジア諸国からの日本の再軍備への支持は、憲法改正に向けて安倍氏を勇気づけるだろう。とか

中国は日本の軍国主義の復活に対する不安を長く提起してきた。日本に植民地化された過去がありながら、日本の再軍備を容認するフィリピンの態度は海洋進出に積極的な中国に対する恐怖が過去の侵略被害の記憶を打ち消す始まりになるかも知れない。とまで論評している。


いかにも日本が過去にフィリピンを侵略して植民地にしたとか、今回の選挙で自民党が勝てば軍国主義が復活するのではないかと言いたげな内容であり、洗脳意図すら見え隠れして不愉快である。

一体いつ日本がフィリピンを植民地にしたのですか? 

フィリピンは1529年にスペインの植民地になり、その後1898年にアメリカの植民地となり、1942年に日本軍がマッカーサーの在比米軍を破り、フィリピンを占領し軍政下に置いたのではありませんか? そして翌年の1943年にはラウレル大統領のもとにフィリピンを独立させています。 これが植民地ですか?

何故日経はそのような事実でもない日本の自虐史観を煽るような論調をするのですか?

日経新聞を購読している一人として残念で情けなくなる。

以下にロイター配信の記事と日経の記事を紹介します。


・・・・・・・・・・REUTERS配信記事・・・・・・・・・・・・・・
Published December 10, 2012
Philippine Foreign Min sees Japan as balance to China -
フィリピン外相
We would welcome that very much," Albert del Rosario told the Financial Times an interview published early on Monday. The paper said he was responding to a question about whether Manila would support a rearmed Japan - PHOTO: MINISTRY OF FOREIGN AFFAIRS

The Philippines sees Japan as a potential counterbalance to the rise of China, its foreign minister told a newspaper, as smaller Asian nations worry about Beijing's military might and ambitions as tensions grow over conflicting territorial claims.
"We would welcome that very much," Albert del Rosario told the Financial Times an interview published early on Monday. The paper said he was responding to a question about whether Manila would support a rearmed Japan.
"We are looking for balancing factors in the region and Japan could be a significant balancing factor." The Philippines and China have conflicting claims to territory in the South China Sea. Vietnam, Brunei, Taiwan and Malaysia also have claims to parts of the sea.
Mr Del Rosario's comments come ahead of a Dec. 16 election in Japan that is expected to be won by the opposition Liberal Democratic Party (LDP). LDP leader Shinzo Abe has promised to loosen limits on the military in Japan's pacifist constitution and stand up to China over disputed isles in the East China Sea. - REUTERS

私の拙訳では:
「私たちはそれを大変歓迎するでしょう」とアルバート・デル・ロサリオがファイナンシャル・タイムズのインタビューに対して月曜日午前に答えた。
新聞は、マニラは日本の再軍備を支持するかという質問に対する彼の回答と述べている。
"写真は外務省にて


「フィリピンは日本を中国の台頭に対する潜在的な均衡力とみています。小さなアジアの国々は領土紛争の拡大で北京の軍事力や野心を心配している」と外相は述べた。

「私たちはそれを大歓迎するでしょう」とアルバート・デル・ロサリオがファイナンシャル・タイムズのインタビューに月曜日午前に答えた。

新聞は、マニラは日本の再軍備を支持するかという質問に対する彼の回答と述べている。

「我々は地域のバランスがとれる要因を求めている。日本は均衡を保つための重要な要因である。」フィリピンと中国は南シナ海において領土問題を有している。ベトナム、ブルネイ、台湾、マレーシアもまた領土問題を有している。

デルロサリオ氏のコメントは日本の12月16日の選挙で野党の自民党が勝利する予想から自民党総裁の安倍晋三は平和憲法における軍隊の制限を緩和し、また東シナ海の諸島の中国の領有議論に対しても毅然と対抗すると約束した。という内容にまでに及んでいる。



・・・・・・・以下は本日の日経記事・・・・・・・・・・

フィリピン、日本の再軍備支持? 中国との対立 均衡探る

フィリピンは軍事的な自己主張を強める中国と対抗させるために、平和憲法で武力を放棄している日本の再軍備を強く支持するかも知れない。 ファイナンシャル・タイムズとのインタビューでデルロサリオ比外相は「我々は日本の再軍備を大いに歓迎するだろう。地域でのバランス要因を求めており、日本は重要な役割を果たすことができる」と語った。
中国を刺激する危険を冒す際立った発言は、南シナ海の実質的な領有権主張という中国の挑発に対するフィリピンの警戒心を映し出している。外相の発言はまた、平和憲法の改正と軍備の強化を主張する安倍晋三元首相の返り咲きが有力視される日本の総選挙直前のタイミングで飛び出した。 日本の自衛隊を一人前の軍隊に格上げする憲法改正は日本に作戦行動上の多大な自由を許し、アジアの軍事バランスを変える可能性がある。 公式の平和主義にもかかわらず、大型水上艦の保有は中国海軍の70隻あまりに対し、海上自衛隊は約50隻を擁する。アジア諸国からの日本の再軍備への支持は、憲法改正に向けて安倍氏を勇気づけるだろう。中国は日本の軍国主義の復活に対する不安を長く提起してきた。日本に植民地化された過去がありながら、日本の再軍備を容認するフィリピンの態度は海洋進出に積極的な中国に対する恐怖が過去の侵略被害の記憶を打ち消す始まりになるかも知れない。 今月フィリピンは中国海南省の公安当局が、中国領と見なす海域に入った船舶を取り締まるとの発表に反対を表明した。また、中国政府は、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、台湾、インドネシアがそれぞれ部分的に領有権を主張する南シナ海のほぼ全域を自国領と見なす地図を掲載したパスポートを発行。フィリピン政府は抗議のためにスタンプを拒否。デルロサリオ外相は「度を越した主張は国際法に違反している」と語る。(以下略)
(10日付 英ファイナンシャル・タイムズ特約)
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