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福島原発海水注入中断ドタバタ劇/首相の優柔不断・責任回避癖が根本的原因

またもや管内閣の無責任体質のドタバタ劇が始まった。

原発海水注入中断問題


国会で23~25日の3日間にわたり、衆院東日本大震災復興特別委員会などで海水注入が中断された件について政府・東電統合対策室、班目春樹原子力安全委員長の発言が一転二転する混乱が続き、首相の指示か東京電力の指示かという責任のなすり合いのドタバタ劇が公然と行われた。ホントに情けない醜態である。

更に東電は26日、海水注入の中断について、実際には同原発の吉田昌郎所長の判断で中止せず、注水が継続されていたと突然発表した。これにも唖然である。

吉田所長は「国会などで議論になり、よく考えた。国際原子力機関(IAEA)の調査団も来ており、正しい事実に基づき、事故の評価、解析が行われるべきだと考えた」と説明したという。これまたもっともな話である。

そうであるならば、吉田所長は海水注入中断の決定に係るテレビ会議で海水注入継続の必要性を体を張ってでも主張し、中断を阻止しなかったのか? そして東電本社や政府・東電合同対策本部の決定に従わず、命令を公然と無視するような姿勢で海水注入を継続したのだろう。


これに対し、政府や東電幹部の面子がつぶれたためか、東電は東電本社の指示に従わない吉田所長を更迭する。との速報も流れた。

本件の一連の流れは全くもって見ておれない。これが日本の政府、東電の首脳陣のレベルかと思うと情けない限りである。

驚くことに、本日(27日)の昼になって東電の副社長は「吉田所長の判断は正しかった。」と発表するに至った。ここまで来ると茶番劇にも程がある。ホントにどうなっているの。

 政府は月内にも事故調査・検証委員会を発足させて、事故の本格的な分析・検証に着手すると言っているが、この委員会も官邸内につくれば官邸の責任を回避するシナリオに沿った事故原因等の分析作業が行われるのは火を見るより明らかであり、全く無駄な委員会となる。

首相の明確な命令指示の欠如、優柔不断な意思決定能力、政府、東電、各種委員会の機能不全、無責任体質等のヒューマンファクター及び危機管理の手法についても事故被害の拡大要因として調査、検証しなければ意味はない。

第3者機関により実動部隊の最高指揮官の情勢判断、命令、指示の妥当性も含めてあらゆる観点から調査、検証することが事故調査の原則である。

決して首相の諮問員会に位置づけてはならない。税金の無駄遣いである。戦前ならば御前会議で簡単に結論できたのであろうが、最低限国会内に設置すべきである。

それにしても吉田所長は直属の上級指揮官である東電社長の命令に従わず海水の注入を継続したのだろう。ここに現在の政府、東電、対策本部等の危機管理体制の本質的な問題が隠されている。

東電本社と現場(福島原発)指揮所間のテレビ会議等において、吉田所長は東電本社の幹部に対して「現場を見に来い」と語気を荒げて良く反発していたと言う情報もある。

また、官邸サイドは当初から東電の幹部には不信感を持っており、吉田所長だけはリーダーシップ、原発知識、経験の面から大きく買って信頼していたとも言われる。

 これらの情報を部隊指揮という観点から見ると、指揮命令系統及びそれぞれの指揮官を補佐するスタッフ組織が全く機能しておらず、烏合の衆、船頭多くして舟 山に登るの状態であったとしか言い様がない。

東電本社の中断の決定に従って中断の処置を実施中に現場の状況が急激に変化し、本社の了解をとる暇もなく今回の処置をとったのであれば独断専行といえるが、この場合には吉田所長は事後に速やかに報告する筈である。

従って、吉田所長の今回の処置は「独断専行」ではない。明確な命令無視である。

要は現場指揮官と東電社長、政府・東電合同対策本部長の間の信頼関係、目標系列(連鎖)が全く構築、共有されていない以外のなにものでもない。

或いは、東工大院出身の吉田所長と東工大出のみを信頼し参与等に集めている管首相の間で、東電本社の意向は聞かなくて良い、私(管首相)に直接話してくれ。とでもいう密約があったのかも知れない。

いずれにしても、今回のドタバタ劇の原因は、あらゆる面に見られる管総理の優柔不断、責任転嫁性格のなせる業以外の何物でもなく、この凝り固まった不適格な人格は如何なる手法をもってしても改善はできず、即刻退陣して健全な政府組織を作らなければ日本は立ち直れない。

管内閣、民主党が日本を滅ぼす前に政権を志のある健全な議員集団に預けないと取り返しのつかないことになる。




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ダメ政府のカモフラージュ/福島原発炉心溶融(メルトダウン)



昨日5月24日に公表された東電の報告書により福島第1原の1号機だけでなく2,3号機も炉心溶融(メルトダウン)していたことが判明した。

想像はしていたが情けない話である。

明らかに東電、政府は炉心溶融は当初から推測、確信していたのであろう。故に当初の放射能拡散データを公表せず、諸外国からのロボットの提供も断り、収拾策のみの検討に終始し、国民への公表も被害状況を実際に目で確認しなければ公表しなくていいという民主党理論で通してきたのだと確信できた。

この様に考えると、まともに開かれなかった委員会も含め、震災対応として30にものぼる委員会を立ち上げ、首相が委員長を兼ねていながら一度も顔を出さないものもあったこと、

また2、3号機の発災直後のメルトダウンの公表に併せ、明らかに政府批判をかわすかのように24日に事故調査・検証委員会と東電の資産や財務内容を調査する第三者委員会の設置を決めたことも納得できる。

事故調査・検証委員長は「失敗学」畑村洋太郎名誉東大教授の起用が決まったらしい。

私は現役時代に戦史における失敗の本質、成功の条件を研究するために多くの書籍を読んだが畑村教授の書籍は読んだことがない。

ただ、今回の人事も含め各種委員会、参与等の乱発には管首相の独特の人格がはっきり見える。

ある人が、管首相の人格はニーチェの次の言葉そのものだと言っていた。

「自分の周りに有能な人々や有名な人々を置くことによって、自分をいっそう目立たせようという下心を持っている人間がいる。そういう人間を警戒しよう。政治家はその典型だ。政治家は、有能そうに見える人々、世間で名前が広まった有識者や有名人を好んで自分の周りに置きたがる。そして何がしかの仕事を手伝わせるわけだが、それは政治をしやすくするためではない。自分の空っぽさをカモフラージュさせるためなのだ。つまり、自分が主役になるために、次々に人を利用するのだ。」

まさに管首相にぴったりである。 

震災から2か月以上も過ぎて政府のこの体たらく、情けないというより開いた口が塞がらない。 

22日に行われた日中韓首脳会談においては、一国の首相として国益を基軸とした姿勢を見せることなく、福島県産の野菜や果実をさも自慢げに食して見せ、

共同記者会見では「日本の食べ物が安全だということを最も効果的に示すことができた。」などと自慢げに発言し、会見終了後、首相は中国の温家宝首相に歩み寄り、中国語で「シェイシェイ(ありがとう)」と謝意を伝えた。

ホントに呆れるというより恥ずかしい限りである。

3カ国首脳会談に先立つ日中首脳会談では、温首相が食料品などの輸入禁止対象から山梨、山形両県の除外を表明した。外務省幹部も「中韓が予想以上に協力してくれた」と強調したと報道されている。

管も馬鹿なら外務省も馬鹿だ。 何故,山梨県と山形県のみの2県なのか、戦略眼も論理的思考力も有さない人たちに日本の舵取りを任せることほど日本にとって不幸なことはない。

山梨、山形両県は農産物の中国輸出はほとんどなく、中国にとって影響はなく、その他の県の輸入解除について外交カードを与えたに過ぎないだけではないか。

その証拠に中断している東シナ海のガス田の共同開発交渉の再開を提起したにも関わらず、反応はなかった。

中国は更に尖閣諸島、ガス田付近での活動を活発化させ、韓国の国会議員はロシアのビザで国後を訪問するという渦中にあっても、パフォーマンスだけの首相には今更ながら愛想が尽きた。

改めて現政府首脳、参与の陣容に危惧を感じる。明快な関係図を発見した。→ ここをクリック

志と気概のある若手国会議員の諸氏に期待したい。




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イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事案/横浜地裁判決に思う。


平成20年2月19日未明、千葉県の房総半島野島崎沖で、ハワイでの訓練を終えて横須賀港に帰港途中の海上自衛隊のイージス艦「あたご」と、マグロはえ縄漁に向かっていた同県の漁船「清徳丸」の衝突事案において、横浜地方海難審判所は21年1月、事故の主因を「あたごの監視不十分」と裁決し、横浜地検は21年4月、衝突時と直前の当直責任者2人を業務上過失致死罪などで在宅起訴した。今月11日の横浜地裁判決は、漁船「清徳丸」側に事故原因があるとし、在宅起訴されていた2名の「あたご」士官を無罪とした。
あたご衝突場所

本件については、私は海自現役時代から「あたご」艦長及び2人の士官を良く知っていたことから顛末を見守っていたが、船の運航に関する事故原因を専門的な観点から追及する海難審判の判決が個人の過失を明らかにする刑事裁判により覆された結果となり、いつもの通りの自衛隊叩きのマスコミ報道と世論の形成、そして残念ながらこの空気に流された検察の検証手法に問題があったことが露呈した。

このような観点においても約3年間頑張った2人の士官、彼らを献身的に無償で支援して下さった弁護団、そして海難審判と異なる判決を健全かつ英断された地裁裁判長に心底より敬意を表したい。

驚いたことに、判決後の報道において、海上幕僚幹部の幹部が無罪に驚いているような記事が書かれている。

5月11日の読売では「海自は事故調査委員会の報告を受けて、当直体制や見張り要領の見直しなど再発防止策に取り組んでいた。それだけに、ある幹部は「海難審判ではあたご側に原因があるとされたので、2人とも無罪というのは全く予想していなかった」と驚きを口にした。 別の幹部は「防衛省としてはすでに事故調査報告書で非を認めている。今回の判決は個人の罪を認めなかっただけで、事故を起こした責任があることに変わりはなく、今後も再発防止に努めるしかない」と複雑な表情で語った。」とある。

この幹部とは明らかに内局の幹部であり、海自の制服幹部でないことは私の経験から断言できる。

そもそも、海上衝突予防については種々のルールがあるが、テロ、自爆攻撃等、意図的に衝突する以外、衝突事故が生起した場合に一方が完全に悪いということはあり得ない。

あたご海難審判


仮に海難審判所の判決どおりで、横切りの関係であった場合は、衝突を回避するために進路を保持する保持船と舵を取って進路を変更する避航船となり、この場合は漁船が保持船でイージス艦が避航船となる。

今回の「あたご」のように複数の漁船と連続的に見合い関係が生じる場合は、大きく右転して避航すれば際限が無く、相手の動きを注意深く見守って近距離で速力を落として前方をやり過ごすのが常道である。

また、横切り関係においても保持船は最終的に衝突を避けるために最善の協力動作をとることが定められており、小回りのきく漁船は大きく舵を切って避けることができる。

仮に検察の主張する通りであっても、一方的にイージス艦が悪いことはあり得ない。

今回の判決は、横切り関係ではなく、漁船が通常の進み方をしていれば安全にイージス艦の後方を通過しており、直前に漁船が大きく変針したために衝突が生起したと判定した。

イージス艦「あたご」の衝突事案生起時の防衛省の対応を見た時、マスコミに煽動される世論の空気を恐れ、組織防護と思われないように、「あたご」の艦長、当直士官、艦内態勢を最初から否定するような姿勢が感じられたことは残念であった。

部下を信じ、悪いことは悪い。間違っていないことは間違っていない。と自信をもって対応して欲しかった。

潜水艦「なだしお」の事故の際、
当時の東山海上幕僚長が記者会見で「部下を信じている。」と毅然と発言された。

あの光景は当時の海上自衛官にとって未だに忘れられず、あのような指揮官がおられたからこそ私は現役時代に身命を賭して任務にまい進できたのだと確信している。



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