尖閣ビデオ流出事案に関連し、神戸海上保安部の巡視艇「うらなみ」の主任航海士(43歳)が流出を船長に申し出て、現在国家公務員法(守秘義務)違反容疑で警視庁による取り調べが行われている。
このニュースが昨夜からマスコミを賑わせているが、ことの本質を見失ってはならない。
そもそも、これらのビデオが何故守秘義務に該当する秘のビデオに指定されたのか、いつ保全措置の具体的な態勢がとられたのか極めて曖昧である。
これは政府の対中国姿勢の変化とも関連している。
当初は既然とした態度で済々と国内法で処置すると、私も民主党を見直すぐらいの頼もしい態度であった。
当然この時点では海保はビデオ公開の編集とあまりにも過激な中国漁船の行動に他の巡視船、海上保安官の教育用としてのビデオを編集していたであろうことは当然である。
その教育ビデオの中には今回の流出にはなかったが、一部のネットで囁かれている強烈な情報、
すなわち中国船漁船員を逮捕する際、中国船員が海上保安官を海に突き落とし、更に海中に転落した保安官をモリで突こうとしていたという情報
これが事実ならば当然この映像も教育ビデオにあると思う。
保安官の生命を保護し、任務を完遂するための教育ビデオであれば当然です。
これを要するに今回の事案は政治主導という一見美しいスローガンを掲げ、官僚、省庁の職員をないがしろにした政府の結末であり、因果報応としかいいようがない。
今回のビデオ流出事案に関し、保安官のYOU TUBEへの投稿は、国家公務員としての倫理、規律上の問題は否めないが、
その動機次第では、まさに「独断専行」であり、その結果で判断されることになろう。
つまり日本国の国益にとって良い影響を与える結果となれば、英雄であり、日本の国益に悪影響を及ぼせば国家反逆罪となる。
過去の戦史においても上官の命令に反し、自分の判断で作戦を行い結果として大成功を収めた例も多い。
軍事作戦上の独断専行は、元を正せばドイツ参謀本部の伝統的原則であり、モルトケの時代に頂点に達し,WW2までドイツ軍に受け継がれていた。
WW1のタンネンベルグ戦でドイツ軍が歴史的大勝できたのは,フランソワ第1軍団が終始,命令拒否や独断専行を繰り返したお陰で,タンネンベルグ戦ではドイツ軍がロシアの大軍団を包囲殲滅し,歴史に残る戦果をあげている.
リデル・ハートは,ドイツ軍のこの独断専行の原則を有効であったと高く評価している。
また、ヒトラーが参謀本部を全く信用せず,自分の命令への絶対服従を要求したことが,敗因であるとも述べている.
今回の海上保安官のビデオの投稿問題は、その動機によっては結果良好の「独断専行」事案として私は支援したい。
反面、独断専行は安易に行うものではなく、一生一代の覚悟をもって、失敗した全責任を負う覚悟で行うべき性格のものであることも付け加えたい。
報道で見る限り、本人もいかなる処罰を受ける覚悟はできているようであり、世論の支持を期待したい。
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